高知県立大学文化学部文化学科 企業分析研究室のページ

 ●更新日:2019年2月24日  ●作成者:梶原太一

はじめに

このページでは、学生(受験予定の方も)の進路選択のための情報提供を目的として、高知県立大学文化学部文化学科の企業分析研究室の紹介をしています。


卒業論文と所属研究室

高知県立大学の文化学部文化学科の学生は、入学後、全学の共通教育科目と文化学部の学部専門科目を履修していきます。3年次からは、自分が関心を持つ固有のテーマについて研究するために、各教員の研究室に所属して、4年間の学業の成果をまとめた「卒業論文」を執筆します。

卒業論文の執筆は、3年次と4年次に開講される「文化学課題研究ゼミナール」(I・II・III・IVの各1単位)という科目の履修を通じて行います。学生は、「文化学課題研究ゼミナール」を履修するとともに、自らの関心にあわせて、どの教員の指導の下で卒業論文を執筆するかを選択します。

指導教員が決まると、所属する研究室が決まります。研究室では、教員の論文指導や、同じ研究室に所属する他の学生との交流を通して、自分の関心のあるテーマについての研究を進め、卒業論文を完成させていきます。

文化学部文化学科には、以下の研究室があります(2019年2月時点。50音順)。

 ● 英語学研究室(五百蔵)
 ● 英語学研究室(金澤)
 ● 英文学・英文化研究室(鳥飼)
 ● 観光地・観光まちづくり研究室(小長谷)
 ● 企業分析研究室(梶原)
 ● 居住文化研究室(三浦)
 ● 経済学研究室(大井)
 ● 言語文化研究室(向井)
 ● 憲法学研究室(岩倉)
 ● 国語教育学研究室(井上)
 ● 国際関係研究室(溜)
 ● 政治学・政策分析研究室(清水)
 ● 地域政策研究室(宇都宮)
 ● 地学・地理学研究室(大村)
 ● 中国文学研究室(高西)
 ● 哲学・倫理学研究室(吉川)
 ● 国際日本学研究室(ヨース)
 ● 日本語学研究室(橋尾)
 ● 日本文学(近代)研究室(田中)
 ● 日本文学研究室(東原)
 ● 人間存在学研究室(オバーグ)
 ● 文化人類学研究室(飯高)
 ● 法学研究室(菊池)
 ● 法学研究室(田中)
 ● 法学研究室(根岸)


各教員の研究内容については、高知県立大学のこのページ、または、文化学部のこのページに情報があります。

なお、文化学部の学生は、高知県立大学の地域教育研究センターに所属する教員の指導を得ることも可能です。






企業分析研究室の紹介

高知県立大学文化学部文化学科の企業分析研究室は、企業を研究対象としている研究室です。
担当教員は、梶原太一(文化学部講師)です。

PDFファイル版の研究室案内はこちらです。担当教員の研究業績(論文、著書など)はこちら


企業分析研究室では、社会科学の基礎的な研究方法を用いて研究を行っていきます。
研究の背景となる学問分野(discipline)は、経済学・経営学・商学・会計学といった領域です。

担当教員の現在の研究上の主たる関心は、企業の活動を数値化して評価することにあります。ただし、数値化できない事柄に関心がないという訳ではありません。このことは、非営利組織(NPO)を分析の対象とする場合には特に顕著な傾向です。したがって、数字やデータを扱わない研究をしたいという学生も、歓迎します。



履修条件

企業分析研究室の志望にあたって、前提となる知識は必要ありません。
なお、下記の科目を併せて履修しておくと、企業を研究していく際に役立つでしょう。

科目名
科目の系統
開講年次
ビジネスリテラシー
共通教養教育・リテラシー科目
1〜
NPO論
文化学部専門科目・地域文化創造系・地域づくり領域 3〜


各科目の講義内容については、高知県立大学のシラバスで調べることができます。

  高知県立大学シラバス(https://kyoumu.u-kochi.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/SearchMain.aspx)




企業を分析するにあたり、簿記会計関連の資格取得に挑戦されることも、おすすめします。
主な簿記会計関連の検定試験には、以下のようなものがあります

 ● 日本商工会議所 日商簿記検定試験 (初級、原価計算初級、3級、2級、1級)
 ● 全国経理教育協会 簿記能力検定試験 (基礎簿記会計、3級商業簿記、2級商業簿記、2級工業簿記、                            1級商業簿記・会計学、1級原価計算・工業簿記、上級)
 ● 大阪商工会議所 ビジネス会計検定試験 (3級、2級、準1級、1級)


また、簿記会計や企業分析に関連する専門職(資格)として、

公認会計士税理士不動産鑑定士中小企業診断士証券アナリスト国税専門官

といった職業があります。
希望にあわせて、ゼミの時間以外に、検定試験対策の勉強会も開催します。



所属学生と卒業論文タイトル

企業分析研究室では、これまでに、下記の卒業論文が執筆されています。

卒業年度
卒業論文タイトル
研究手法
2016
地域企業における地域密着型ホスピタリティの発揮と活用
文献、聞き取り



2017年度のゼミナール活動

・前期(4月〜9月)の「文化学課題研究ゼミナールI」(金曜、4時限目、3回生)では、
  菊澤研宗『組織の不条理─日本軍の失敗を学ぶ─』(中公文庫、2017年3月、386頁)を輪読しました。
・後期(10月〜3月)の「文化学課題研究ゼミナールII」(金曜、4時限目、3回生)では、卒業論文に関する個人報告を行いました。

2018年度のゼミナール活動

・前期(4月〜9月)の「文化学課題研究ゼミナールI・III」(金曜、4時限目)では、
  濱田武士『魚と日本人─食と職の経済学─』(岩波新書、2016年10月、240頁)を輪読しました。
・後期(10月〜3月)の「文化学課題研究ゼミナールII・IV」(金曜、4時限目)では、
 まず、河合雅司『未来の年表2─人口減少日本であなたに起きること─』(講談社現代新書、2018年5月、244頁)を輪読しました。次いで、卒業論文に関する個人報告を行いました。





企業分析の基礎知識


企業とは

企業(enterprise, firm, business)とは、何らかの目的(金銭的利益の追求、社会的利益の追求など)を達成するために継続的な活動を行う組織(organization)のことです。今日の社会において代表的な企業は、株式会社(company)です。株式会社は、次の図のような活動を行います。

  

株式会社は、株主や債権者から提供された資金を、生産設備への投資や従業員の雇用などに活用し、何らかの財やサービスを生産します。その後、生産された財やサービスを社会に提供することによって、その見返りとしての販売代金(収益)を受け取ります。財・サービスの生産に要した費用を上回る金額の収益を得ることによって、利益が生み出されます。獲得された利益は、資金提供者に分配されたり、税金として政府に支払われたり、再び事業活動に活用されたりします。この一連の流れが、企業の経済活動の循環過程(business cycle)です。


簿記とは

簿記(bookkeeping)とは、企業の活動を秩序的に記録するしくみのことです。記録を行うことには、備忘のため、管理のため、報告のため、といった目的があります。

  

上の図が示しているように、まず、日々の企業の経済活動は「仕訳帳」(しわけちょう)や「総勘定元帳」(そうかんじょうもとちょう)といった帳簿に記録されます。次いで、これらの日々の記録にもとづいて、損益計算書や貸借対照表といった財務諸表(決算書)が作成され、企業の活動に関心を持つ利害関係者に向けて報告されます。利害関係者は、これらの情報を活用して何らかの意思決定を行います。代表的な意思決定の例は、自らの持つ資源(資金、労働力など)を企業に提供するかどうかを決めることです。

活動の記録と利用者への報告、利用者による情報の活用に渡る一連の領域を、会計(accounting)といいます。



【簿記の初学者・学部生向けのテキスト】

 矢部孝太郎編著、原田保秀・吉岡一郎・松脇昌美・梶原太一著『簿記学〔第2版〕』、税務経理協会、2017年11月。

   :教科書と問題集(ワークブック)が1冊にまとめられています。
    本文での解説に加えて、アドバイス、豆知識も豊富です。B5サイズ、全384ページ。
    2016年初版の改訂版です。


企業分析とは

企業分析(business analysis)とは、個々の企業の経済活動の状況を、主としてその企業が公表した情報を読み解きながら、明らかにすることをいいます。標準的な企業分析の枠組みを図で示すと、次のようになります。



企業分析は、一般に、財務諸表分析、戦略分析、業種分析、といった3つの領域から成り立っています。

(1) 財務諸表分析(financial statement analysis)は、企業が公表する会計情報を活用して、収益性、安全性、効率性、成長性といった観点から企業の実態を明らかにしようとするものです。

(2) 戦略分析(strategy analysis)は、企業の経営方針や将来の計画、新規事業の構想、商品の魅力、経営者の人物像、従業員の特徴や雇用管理の手法、組織の文化や慣行、ビジネスモデル、強み・弱みといった点を調べるものです。

(3) 業種分析(industry analysis)は、企業が属する業界の状況、産業全体の景気の動向、政府の規制や政策の影響、海外事情といった点を調べるものです。企業が置かれている環境を分析するものであるため、事業環境分析といっても良いかもしれません。


また、企業分析を通して、企業の真の価値を把握しようとする領域を企業価値評価(valuation)といいます。企業価値評価では、企業それ自体を売買するときの価値、すなわち、株式市場における各企業の株価の形成を説明すること(現在の株価は割安か?割高か?理論上の株価はいくらか?)が主要な関心となります。






高知県立大学文化学部文化学科の紹介

高知県立大学文化学部文化学科では、4年間の学修を通じて、4年制大学卒業資格と学士(文化学)の学位を取得することを目指します。文化学部は、文化学科という1つの学科から構成されています。学科の領域は、人文科学ならびに社会科学の学問分野を中心としています。

文化学部は、昼夜開講制であり、昼間の履修を主とする課程と、夜間の履修を主とする課程(夜間主コース)があります。

学費と奨学金

高知県立大学の文化学部の学費は、次のとおりです。


入学金(初年度のみ)
授業料(年間)
昼間の課程
141,000円(県内)
282,000円(県外)
535,800円
夜間主コース
70,500円(県内)
141,000円(県外)
267,900円

奨学金については、こちら(「高知県立大学 学生便覧」21-23頁)に情報があります。

夜間主コース

夜間主コースでは、平日の夜間の6時限目(18:00〜19:30)と7時限目(19:40〜21:10)に開講されている科目を主に受講し、4年間で合計124単位以上を取得することにより、卒業することができます。短大卒業程度の方を対象とする3年次編入試験も行われています。


■昼間に仕事をしてから通学する例






昼間の時間
仕事
仕事
仕事
仕事
仕事
18:00〜19:30(6時限目)
英語
キャリア
デザイン論

国際関係論
基礎演習
地域産業論
19:40〜21:10(7時限目)
観光文化論
日本国憲法
NPO論
近代文学購読
地方自治論



■夜間主コースの科目
夜間主コース(文化学科文化総合系)には、人文科学・社会科学を中心として、下記のような科目が設置されています。過年度に開講されている科目については、シラバスで講義内容を調べることができます。


科目の大分類
科目の細分類
科目名
共通教養教育科目







リテラシー科目



「英語コミュニケーション」
「情報処理概論」
「情報リテラシー」
「コンピュータリテラシー」
「ビジネスリテラシー」
教養基礎科目

「経済学」
「日本国憲法」
課題別教養科目
「労働と人権」
「消費者保護と人権」
「ジェンダーとキャリア」
健康スポーツ科目
「健康スポーツ科学」
「健康とヘルスプロモーション」
域学共生科目


「地域学概論」
「土佐の経済とまちづくり」
「土佐の自然と暮らし」
文化学部共通科目











リテラシー科目
「基礎演習」
「情報処理演習」
「文献調査論」
「基礎読書法」
エッセンシャル科目








「文化哲学」
「文化人類学」
「文化と権利」
「文化と裁判」
「公共哲学」
「民俗学」
「文化と経済」
「日本文学概論」
「言語学概論」
「グローバルスタディー」
「異文化コミュニケーション」
「社会調査論」
「文化学課題研究ゼミナール」
キャリア形成科目
「キャリアデザイン論」
キャリア形成論」
文化学部専門科目




英語学領域
「英語学概論
「英語文法論」
「英語ライティング」
国際文化領域
「国際日本学」
「比較日本学」
「国際関係論」
「国際開発論」
日本語学領域
「日本語学購読」
「日本語文章構成論」
日本文学領域

「基礎古典」
「古典文学購読」
「近代文学購読」
「現代文学購読」
「中国文学購読(散文)」
地域文化領域
「地域文化論」
「日本思想史」
「日本文化論」
「文化政策論」
「地域防災論」
地域づくり領域
「地域づくり論」
「地域産業論」
「地域分析論」
「地方自治論」
「NPO論」
観光文化領域
「観光文化論」
観光まちづくり領域
「観光学総論」
「観光産業論」
「観光企画論」
現代法文化領域
「文化と統治システム」
「行政と法文化」
「現代法思想論」
「情報化社会と法文化」
「地域社会と法文化」
「生命倫理と法」
「平和構築論」
生活法文化領域
「生活と法文化」
「文化と人権」
「災害と法」
「ワーク・ライフ・バランスと法」
「社会保障と法文化」
「家族関係と法文化」


■長期履修制度
仕事の事情などから4年間で卒業することが難しい学生のために、4年間分の授業料のみで、5年〜8年かけて計画的に学び続けて卒業することができる、長期履修制度という仕組みが設けられています。3年次編入の場合も、長期履修制度を利用して、2年間分の授業料のみで、3年〜4年かけて学んでいくことが可能です。

入試情報

入試日程、募集定員については、高知県立大学入試情報のページに情報があります。
過去の入試問題は、こちらです。
志願者数、合格者数などの過去の入試結果はこちらです。
願書請求その他の入試情報は、こちらにあります。




連絡先

 〒780-8515 高知市永国寺町2-22 高知県立大学文化学部 企業分析研究室 梶原太一

 高知県立大学の文化学部に関心のある方は、気軽にメールしてください。ta.kajiwara@gmail.com



(背景の画像は、星ヶ窪 [高知県仁淀川町]。2016年11月下旬撮影 )